がんこ先生

のだめカンタービレ」を読んでいるとテレビからオケの音が聞こえたので顔を上げた。
NHKにんげんドキュメント「がんこ先生とぼくらのハーモニー」は70歳の佐治薫子が音楽監督を務める「千葉県少年少女オーケストラ」のドキュメンタリー番組だった。佐治さんは繰り返し音楽に気持ちを表すことを教える。声を荒げて、時には背中を押しながら、もっと体を動かしてと子供達に伝える。第九を暗譜させ、楽譜ではなく周りの音に集中するよう訴える。全身のエネルギーを子供達にぶつける。会場で第九の演奏が終わったとき、フルートの男の子は口から楽器を離す前に泣いていた。ゴラン・イワニセビッチウィンブルドンの優勝を目前にし、泣きながら最後のゲームを戦った時の事を思い出した。
音楽だってスポーツだって恋愛だって旅だって、その素晴らしさの根源はきっと泣いてしまうような感動なのだ。
しらけた顔してコンサート作っちゃいけない。じゃなきゃ誰が泣く?