ドイツにまた。

pre-neophilia2008-12-09

ドイツに来ている。
2年前に来たのとは別の目的と別の方角でもって車を進めている。そう今回は車を運転。フランクフルト→ライプツィヒ。バッハが勤めた聖トーマス教会でのミサに出席。言葉も手順も分からないまま立ったり座ったり。高い天井に広がる歌声の響き。この空間に響き渡ることを前提に創作されたハーモニーが溶け込んでいる。この響きの中で何百年もの間、提示され、試されてきた音楽がここにある。なんと素晴らしい響きかと思い、そしてなんだか嫌になってしまう。自分に何が出来ると言うのだろう。だいたい何かする必要がそこにあるのか。
ゲヴァントハウスでは子供達の合唱コンサートのようなものが行われていたのだけど、チケット完売とのこと。奥さんの交渉により休憩中に少し中を見せてもらえることに。響きが聴けなかったのは残念だったけど大変素敵なホールだった。
ライプツィヒからベルリンへ。オペラを聴く。ベルリンドイツオペラでタンホイザー、コーミッシェ・オーパーでラ・ボエーム。ここに来て怒濤の時差ボケか、開演前に飲んだビールも手伝ってタンホイザーはまともに聴いていられない。ラ・ボエームは楽しく末席で聴く。両方ともスマートでかっこいい会場。素晴らしい。ベルリンでは夜間駐車している間に窓を割られ車上荒らしにあう。カーナビとiPodを盗られる。カーナビ弁償。おいおーい。
そんなダイナミックなハプニングに翻弄されながらも今日はベルリン→ヴァイマール。車はセアト・イビーサから本国産フォルクスワーゲンへ。ヴァイマールは良いところだ。忙し過ぎず丁度良い。ゲーテの活動拠点として有名。「もっと光を」と呟いたその部屋を明日見に行く。行きの飛行機で若きウェルテルの悩みを読んでいた。悩み多き二十歳過ぎぐらいの頃に初めてこの本を読んで人の悩みの普遍性のようなものを感じた。時代や国が違ったって同じようなことで頭を悩ませているのかと思い何だか気が楽になったものだ。明日は御礼を言わねば。
例えばドイツに住んだとして、ということを今回良く考える。どんなことを感じるだろうか。どんなことが決まっていくだろうか。きっと日本のことを良く考えるようになるだろう。何を持ち帰ろうとするだろう。