iPod→CD Walkman

pre-neophilia2008-12-17

ドイツの車上荒らしに持って行かれてしまったiPod nanoは初代のnanoだったので買ったのはもう3年ほど前ではないか。事務所を始める前だったけどその裏面のステンレスに「neophilia」と刻印したもので、Appleのサイトで注文したのだった。あなたの回りに初代nanoを持っている人が居たら裏面を見せてもらってください。neophiliaの刻印があったら僕のです。
毎日家から阿佐ヶ谷まで片道30分歩いており、専ら音楽はその時間に聴いている。iPodが無くなってしまったのでどないしようと思っていたのだけど、ふと思いついて押し入れの中からCDウォークマンを引っぱり出した。電池も入れ替えてCDを聴いている。久々に持ち歩くとその大きさが逆に新鮮だ。電車の中で少し得意げに取り出してみせたりするのだった。平成生まれの皆さんには関係のない代物でしょうか。そうでもないか。
今日の往路は奥田民生の「Fantastic OT9」を聴く。心無しか音が良く聴こえる。復路の途中でこの機械のある特性に気が付く。「買ったCDがその場ですぐ聴ける」。iPhoneでもiTunesからダウンロード出来るようだけどいつでもどこでもダウンロード出来るわけじゃないんでしょう?少しわくわくしてしまいBOOK OFFに寄る。500円でYEDANG CLASSICSのヴィクトル・トレチャコフを買い、店を出て30秒後にはイヤホンからヴァイオリンの音が聴こえてくるのだ。
YEDANG CLASSICSは韓国のレーベルなのだけど、ロシアのソビエト時代の録音を扱うPipeline Musicの音源をリリースしている。もうこれで4枚目ぐらいだけど、このレーベルの録音はどれもなんというか粗い。録音機材も恐らくはあまり性能の良いものではなく、お客さんの咳き込む音がどれにもしっかり入っており、そしてその演奏もちょこちょこミスがある。では悪い演奏なのかと言うと、これがまたなんというかぱーっと派手ではないのだが、切なくなるような物悲しさと、気持ちが先走る様な情熱が感じれられて個人的にすごく好きなのだ。チェロのダニール・シャフラン、ピアノのラザール・ベルマンのCDも切なさと情熱と咳に溢れている。
トレチャコフもすごく良かった。一部マイク横で咳き込んでるのかというような音が入っているし、オケとの息も合っているとは言えないけど、素晴らしい演奏。この空気感の一致の背景にはやはりソビエトがあるのだろうか。風邪ひいてる人が多かったのか。
明日のヴィオロンまだ少し席があります。あなたの生活にもっとクラシックを。
「ViolonClassical#8」
12月18日(木)20:00〜@阿佐ヶ谷名曲喫茶ヴィオロン

  • 出演:茂木建人(sax)、西村彰紘(sax)、角廣知哉(piano)
  • 曲目:ミレニアム(磯田健一郎)、スタン・ザ・マン(ヤンガーマン)、二本のアルト・サクソフォーンのためのコンチェルトシュテュック(ヒンデミット)、二本のヴァイオリンのための協奏曲(バッハ)、アメリカの主題による小二重奏曲(ドップラー)
  • ¥1,000(ワンドリンク付)