茂木建人/神尾弥

目白春の芸術祭に行く。目白駅近くの「花よろず」という花屋を会場にしたもので、写真や、イラスト、手作りポーチの展示をしていた。そしてこの会場で茂木建人さんのサキソフォンの演奏を聞く。
こんなに演奏者の近くで聴ける演奏会は多分始めてだった。店内はあまり広くはなく、お客さんも入れて20人ぐらいかな、というところ。伴奏は電子ピアノ。一番前で聴かせていただいた。全11曲のプログラムで、ポピュラーなものも多かったがフォーレの「夢のあとに」が僕は一番良かったと思う。合間には自分が何故こういう選曲をしたか、何を考えて吹こうと思っているかを話してくれた。気持ちの伝わる演奏会だった。緊張はしていた様子だが、素晴らしい演奏を聴かせていただいた。
終演後少しお話をさせていただく。出来たばかりの名刺を渡す。僕の名刺には井の頭公園の野外ステージの上に譜面台が置いてある写真が載っているのだが(http://d.hatena.ne.jp/pre-neophilia/20060309)、実はこの譜面台は茂木さんの物。勝手に使っちゃってたので事後承諾を取る。茂木さんには今年の9月か10月に予定しているneophilia主催公演に出演してもらうことが決まっている。楽しみ楽しみ。
目白から歩いて自由学園明日館まで行く。重要文化財であるこの建物には講堂があり、そこで演奏会が出来る。一度見学をしに行ったことがあるのだが、もう一度見てみたかった。あいにく結婚式をやっているそうで中は見れなかったが、とても暖かみのある会場だったことを覚えている。古いピアノが置いてあったな。客席が長椅子になっていて、カラフルなクッションが置いてあったと思う。周りは住宅街なので、管楽器など音が大きい楽器の演奏は出来ないそうだが、何かの折に使わせていただきたい。
池袋まで歩いて東京芸術劇場に寄る。チラシを色々見て、せっかくなので事務所に寄って大ホール、中ホール、小ホールの資料をいただく。事務所の方とお話が出来たのだが、小ホール、中ホールは劇や舞台などの催し物用に、かなりデッドな作りになっているそうだ。室内楽は難しいかな。かといって大ホールはね。2000席ですから。またいつかっ!
代々木上原MUSICASAへ。神尾弥さんのパーカッションリサイタル。以前もリサイタルを聴かせていただいた事はあったのだが、マリンバだけの演奏をじっくりここまで聴くのは初めて。とてもとても素晴らしかった。文学的な演奏だなと思った。迫力ある演奏というのとはまた違うのだけど、ふと心が開かれる感じ。曲目もあまり広くは知られていないプログラムで構成されていて、逆にその本気さが伝わってくる。こういう演奏者がどんどん増えてくると面白いなと思う。最後はギタリストの樋浦靖晃さんとのデュオ。素晴らしい。アンコールは現在も建設が続けられているザクラダファミリアに今後鐘が設置され、恐らく館内に響くであろうことが予定されているという曲。うーん素晴らしい。
MUSICASAも初めて行った会場だが良いホールだった。終演後ホールの人に色々質問させてもらったのだが、とても親切に答えてくださった。結構先まで予約で埋まっている様子だったが、是非是非使わせてもらいたい。駅も近くて便利。
マリンバの搬出を手伝わせていただき、神尾さんともちょっとお話できた。いつか主催の公演で出演をお願いしたいです。
良い演奏のおかげで気分が良い日だった。