佐渡で聴いたクラシック

pre-neophilia2007-08-27

一週間新潟に居た。
仕事で6日間、佐渡に遊びに2日間。
佐渡を発ったのが昨日の18時過ぎだった。新潟港へ向かうカーフェリーの出発時間まで少し時間があって、喫茶店にでも入ろうかとふらふらしていていた時、あまり気乗りしない店構えの喫茶店からクラシックが聴こえた。特にそのときクラシックが聴きたかったわけではないのだけど、クラシックが聴こえなかったら店に入ろうとは思わなかったんじゃないかなと思う。店は二階にあって、階段を上がって店のドアを開けると想像していたよりはずっと気持ちの良い作りの店内だった。いくつかの豆の種類の中からコーヒーを選ぶとサイフォンでゆっくり落としたコーヒーが運ばれてきてとても香り良く、小腹を満たそうと頼んだサンドイッチとツナチーズトーストは大変美味しかった。家族連れのテーブルからは小さな女の子の騒がしい声(「エビ!」)が聞こえ、隣のテーブルでは同じくらいに太ったカップルが言葉を交わさず漫画を読み、そして天井のスピーカーからは絶え間なくクラシックが流れていた。
久しぶりにクラシックを聴いた。スピーカーの音は時に女の子の声にかき消されてしまっていたけど、その音楽はやはり良いものだった。みんなの耳を見回してもその音楽が届いているようには思えない。漫画にもエビにも及ばない。その光景をクラシックはしかし否定もしないし肯定もしないように思えたのだ。あるいはそう思っているのは単なる僕だったのかもしれない。
依然として距離がある。そして僕は今日もその距離を前にしている。
ウチに帰るとタハがすっかり男の子の顔になっていた。そしてなんだ飛躍的に運動神経が発達していて、動きが早すぎ捕まえられない。朝の四時半から全身を噛まれて起こされるのだった。
さて、今週末の金曜日はフレッシュネスでクラシックライブです。8月31日(金)夕方より、木管楽器です。また詳細決定したら掲載します。