オペレッタ「こうもり」

親知らずを抜いた。右下のはちょっと前に抜いてあったので、今日は左下。かなりがっちりした歯だったようで、一度バラバラにしてそれから抜いた。らしい。麻酔も効いてるし何をしてるかよく分からない。色々な金属器具が口の中に入っては「パチッ」とか「ゴリッ」とか「ミシッ」とか言っているのに痛くない。約一時間ほどで終了。バラバラになった歯を「ください」と言ってもらって来た。右下の親知らずは氷川台に住んでいた時のアパートの屋上に投げた。今回はどうしようか。前抜いた時楽しかったので今日もフリスクを口に放り込む。四粒のフリスクが一つ一つ「消えて」いく。麻酔が効いている左のゾーンに入ると「無くなって」しまうのだ。もう見つからない。清涼感だけがしばらく持続する。
喜歌劇《こうもり》全曲 [DVD]長津田の知人の家に向かう。オペラ鑑賞会。ヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」を見る。オペレッタは喜歌劇のことで、セリフ、踊りを含む歌劇。純オペラに比べるとかなり見易く結構笑える。中には一切歌わず、しゃべりで笑いを取るのみの出演者もおりその辺もオペラと一線を画している。「こうもり」は不埒な男に対するドッキリ大作戦といったあらすじなのだが随所で聴き応えのある曲が楽しめる。世のオペラアリアの過半数は悲しみを歌ったものだが、オペレッタでは逆転である。お酒飲みながら見たら楽しそうだったが、抜歯後なので酒は無し。今度は酔っ払って見たい。
DVDを止めるとテレビに荒川静香の生出演番組が映る。テーブルにはスケートシューズ、後ろにはフリーで着たドレス。首から金メダルを下げた荒川は、しかしその演出を拒んでいるようにも見える。今回の滑りは新しい採点法の元での滑りであったこと、感情を注ぎ込めた2004年の世界選手権の滑りとは違うのだということを淡々と話すその無骨さにやはり好感をいだいてしまう。はたから見て盛り上がるこのテンションに対応するには潜り抜けてきた物が重すぎるのだろう。リンクを離れた荒川の足はあまりにも地についている。
ように見えるのだが元々クールな方なのだろうか?