開業届け/英語

事務所開業の書類を提出しに新百合ヶ丘の川崎西税務署に行ってきた。何となくスーツを着てみた。会社で使っていたカバンを引っ張り出し、書類を入れて出発。
気温は高いが風が強い。追い風になったり向かい風になったり。
税務署の人達は親切だった。口調がいやに丁寧だ。書類をチェックするでもなくポンポーンとハンコを押して受け取ってくれた。五分ですんだ。書類に記載された開業日は3月21日。4日後だ。
翻訳夜話 (文春新書)本屋に入り新書コーナーへ。村上春樹柴田元幸の共著「翻訳夜話」を買う。このブログのヘッダーにも載せているがneophiliaの業務は「英語翻訳、通訳」も含んでいる。


僕は14歳の時から18歳までの4年間をエジプトで過ごした。現地のアメリカンスクールで回避不可能なファクターとして英語と対面し、苦しみながら少しずつ学んだ。その頃は英語を使うことなんかしんどいだけだったし、意思の疎通もうまくいかないし、もうそういうものなんだと思って半ば諦め、投げ出していた。
英語に対して喜びと親しみを持てたのは20歳から二年間を過ごしたイギリスでの生活を通じてだった。あまり大きな町では無かったし、日本人を見かけることはあっても会話をすることはなかった。学校は小さい小さい音楽の専門学校だったのだが外国人も僕の他は一人か二人ぐらいしか居なかったと思う。毎日同じ面子と演奏したり、授業を受けたり、食事をしたり、コーヒーを飲んでしょうもない話をしたりして二年を過ごした。英語を一番楽しく使っているのは当たり前だけど英語を母国語としている人たちだろう。そんな人たちの使う英語は口に出してみると、やはり楽しいのだ。
日本に帰ってきてクラシックの音楽事務所に勤めだしたが、海外からも演奏家が来たりしていたのでメールで連絡を取ったり一緒にツアーを回ったりした。イギリスからチェリストが来た時は楽しい英語で話した。
「翻訳夜話」は、翻訳の技法を紹介する本ではなく、とても個人的な、「自分にとって翻訳とは何か」を話し合う座談会のようだ。まだ読み始めたところだが、やはり楽しい英語の話なのだと思う。