フレッシュネスバーガー新宿御苑店ライブ終了

pre-neophilia2007-05-30

フレッシュネスバーガー新宿御苑店でのライブが終了。良いライブになった。
5月の17時はまだ明るい。店の前にはバーベキューコンロと生ビールサーバーが出る。開け放された店の前で聴いていると、すぐ横の道路を通る車の音と弦楽四重奏の音が交じる。演奏者とお客さんの距離が近いのはもちろんなのだけど、演奏とその外の世界、車や歩行者との距離が近い。店の中は音楽で包まれながら、でも外の世界はわりとお構いなしに進んでいく。チラッと見るか見ないかで新宿駅へひた歩く人たち。まあ悔しいのだけど、でも面白いなと思う。偶然が重なって弦楽四重奏の音だけが聴こえる時間がある。例えばチャイコフスキー弦楽四重奏曲第一番のアンダンテ・カンタービレがすっと聴こえたりする。信号が変わって車が近付いてきてもエンジンの音はバックグラウンドに後退している。そしてそのエンジン音が演奏に何か意味を付け加えようとしているようにさえ聴こえてくるから面白い。新宿の歩行者天国がこの場所まで伸びてくると良いなと思う。もう少し静かだと良いなと思う。でも新宿の文字通り町中で聴けるクラシックの面白みはやっぱりある。オーナーの武田さんからはドアも全部閉じてイスを店内に沢山並べて、ちゃんとした音楽会にしてみてはどうかなというアイデアも出たし、その方がお客さんも演奏者も落ち着けるだろうなと思うんだけど、でもやっぱりこの面白みが惜しいのだ。また考えます。寒くなるまでは毎月出来るように進めていく予定なので、また是非来てください。
演奏してくれたヴァイオリンの高橋宗久さん、佐藤奏さん、ヴィオラの佐藤良輔さん、チェロの山田健史さんに多謝。素晴らしいプログラムを組んでくれて、そして素晴らしい演奏をしてくれた。クラシックだったら良いのではなくて、技術と気持ちが入った演奏だからこそ、ここでやる意味がある。楽しみながら演奏してくれてよかった。お客さんも僕らも楽しかった。やりたいコンサートの原型を見た気がします。
来てくださったお客さん、通りかかって足を止めてくださった皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。